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思い出は本当にセピア色をしているのでしょうか。 実際のところは、これは主に古い写真や映像からの連想のようです。 フィルムに収められた写真や映像は、年月が経てば経つほど劣化して黄変します。つまり、セピア色になっていきます。 ★それを「過去」として表現する映像表現がメソッドとして定着してしまったようです。 取り入れられたのはカラーフィルムが普及してからのことでしょうから、「思い出=セピア色」という連想が定着したのは、ここ80年ぐらいのことでしょう。 つまり、経年劣化でセピア色になっていく写真と、人間の記憶に残る思い出は別物だということです。ですから、フルカラーで過去を思い出せるという人がいても不思議ではないということです。 ですが、その一方で、モノクロでしか思い出せないという人がいるのも確かです。 その理由は、脳科学が教えてくれます。 ★もともと人は、色を記憶するのが苦手なようです。 人は生まれてこの方、膨大な量の情報を脳に蓄積していますが、色のついた記憶は情報量が多すぎて、脳の記憶メモリーが足りなくなってしまいます。 そこで、容量を減らすために、脳は色の情報を勝手に削除するようなものです。 思い出の中の風景の色が薄ぼんやりしていたり、モノクロになってしまうのは、そのせいだと考えられています。 ということは、フルカラーで思い出せる人は、よほど記憶力がいいのか、脳の記憶容量にまだ十分余裕があるのかもしれません。 さて、あなたの思い出は、どんな色をしているのでしょう。思い出の引き出しを開けるために、今夜あたり古い写真を探し出してみるのもいいかもしれません。 |
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