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日本では「運命の赤い糸」という言い伝えがあります。将来結婚する人とは小指と小指に見えない赤い糸で結ばれているといいます。 見えないのに赤い糸というのは不思議な話です。 「運命の赤い糸」の話は、昔の中国で書かれた『太平記』に登場します。 青年が縁談相手と会うために出かけていくと、途中である老人(月下老人)に出会う。老人はその縁談がうまくいかないと告げ、結ばれるべき相手とは「赤い縄で足と足が結ばれている」と言って、青年と赤い縄が結ばれているという貧しい幼女を紹介した。 すると怒った青年は幼女を殺すように命じ、殺害には失敗するが幼女の額に傷をつけてしまう。そして数年後、青年は上司の娘を紹介され結婚することになったが、その娘の額には、あのときの傷がついていたという話です。 この話が日本に入ってきて、縄が糸になり、約束を結ぶときに使う小指を結ぶと変化したと考えられます。 「赤」というと、昔の中国では幸せを呼ぶ尊いものとして考えられていた。また、中国お正月や結婚式には「赤(紅)」をふんだんに使います。花嫁衣裳は赤一色であり、赤の箸を嫁入り道具として持っていく風習もあります。 したがって、運命の糸(縄)は見えなくても、赤い色をしていたと考えられます。 |
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