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急いでいるときは、よく知らない近道や危険な近道は避けて、よく知っている安全な道を行ったほうが、結局は早く目的地に到着する、といった意味で、焦る心をいさめています。 語源は、室町後期の連歌師宗長の 『武士(もののふ)の 矢橋(やばせ)の渡し 近くとも 急がば回れ 瀬田の唐橋』からきています。 武士(旅人)は少しぐらい遠回りをしても、安全な道を選ぶほうが、早く着くことがあるという趣旨です。 滋賀県草津市に矢走という小さい渡し舟の船着場があり、昔は東海道を東から来て京都に入ろうとすると、瀬田の唐橋まで、徒歩で南に約4キロメートルほど遠回りしなければなりませんでしたが、この橋を使うと早く京都に入れたようです。 ただし、天候しだいでは、運休する日も多かったということです。 だから旅を急ぐ場合、多少、遠回りをしても、瀬田まで歩いたほうが、結局は早く大津に着き、そのまま京都に入れるので、この歌があります。 何ごとも急がなければ、他人に遅れをとることの多い今の世の中、これは昔も今も変わらないので、少しでも気長に構えていると、とろくさいように見られてしまいがち です。 |
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