|
「角(つの)を矯(た)めて牛を殺す」とは、つまらない些細なことにこだわったり、小さな欠点を無理に直そうとして、かえって全体をだめにするしか、肝心の根本を損なうという意味です。 この出典は中国古代の書「玄中記」の故事が始まりとされています。 それによれば、後漢の時代、桓帝(かんてい)一行が遊びに山に来ていたとき、見事な牛が前に現れたので、部下の何公(なんこう)に命じて捕らえさせたのです。 何公としては、せっかく捕まえたのだからその記念に角を取ろうと斧を振りかざしたのですが、誤って牛の頭に打ち込んでしまったため、牛が死んでしまったということです。 ここから、曲がった牛の角をまっすぐにするために叩いたり引っぱったりすると、牛は弱って死んでしまうことから、わずかな欠点を直そうとして、かえって全体をだめにしてしまうことをいうようになりました。 「矯める」とは、矯正する。曲がったものをまっすぐにするという意味。 |
||||
Copyright (C)2015. ことば・ことわざ・故事の語源やルーツを探ろう All rights reserved. |