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蓼(たで)食う虫も好き好き


「蓼食う虫も好き好き」とは、他人が見てどうしてあんな人がいいんだろうと思うことでも、当人は好きで好きでたまらない、というようなときに使われます。


これは、蓼のような苦味のあるものでも好んで食べる虫がいるように、人の好みはさまざまであるということを意味しています。

この蓼という植物は、茎や葉に苦味があり、それと特殊な香りを持っていて、だれの嗜好にも向くというものではありませんが、それを好んで食べる虫もいることから、「好みは人それぞれだなあ」と感嘆の言葉が諺になったものです。

この諺の出典は、中国の「鶴林玉露(かくりんぎょくろ)」の中に「氷蚕は寒さを知らず、火鼠は熱さを知らず、蓼虫は苦さを知らず、ウジ虫は臭さを知らず」とあり、これから出た語といわれています。

この「蓼食う虫も好き好き」という言葉から、蓼虫しか食べないと思われることもありますが、人間も刺身のつまや蓼酢として食用にしています。





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