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「三顧の礼」とは、地位ある人や目上の人が、賢人に礼を尽くして物事を頼んだり、あるいは、目上の人がある人物を見込んで、特別に優遇することのたとえです。 この言葉は、かの中国の有名な軍師・諸葛孔明を迎えるときの故事に基づきます。 蜀の初代皇帝劉備は、その配下に関羽、張飛、趙雲といった勇猛果敢な武将が数多くいましたが、知略に優れた軍師がひとりもいなかったことを痛感し、野にある軍師をいろいろと探し出そうとしました。 そのときに、「この人間にしか軍師にはなりえない」と思わせたのが草の庵を結んで隠遁生活をしていた諸葛孔明なのです。 そして劉備がじきじきに孔明をたずねて軍師に迎えようとしても、なかなかクビを縦に振りません。 これでは駄目だと思い、更に丁重に礼を尽くすこと、三回に及んだため、さすがの孔明もその情熱に打たれて引き受ける決心をしたということです。 諸葛孔明も劉備の態度に感激し、その後は劉備のために奔走したといいます。 |
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