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「とざいとうざい(東西東西)」とは、大相撲、あるいは歌舞伎や人形浄瑠璃などで、拍子木を打って観客に口上を述べる時に「とざいとうざい」と決まり文句を言いますね。 この「とざいとうざい」とは、漢字で書けば「東西東西」ということで、つまり「東から西までのお客さんよ」という呼びかけの言葉ですが、「東西」と呼ぶのは、舞台から見渡すと観客席の端から端までが東と日の方向にあたるからです。 昔、中国では天子は南に面して座るという考え方がありました。 芸能はいつの時代でも、時の権力者の庇護を受けながら、権力者に奉仕するものでしたから、歌舞伎や相撲を行う場合、南を向いている権力者と対応するように、北に向いて行うのが本格だとされていました。 それで、北に向いた舞台から客席に向かって右側が東の方角になり、向かって左側が西の方角に当たりますので、お客さんに呼びかける場合にも、「東西東西(とざいとうざい)」と呼ぶようになったわけです。 |
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