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鉄面皮(てつめんぴ)というのは、恥を恥とも思わず、図々しいことを言ったり、あるいは厚かましいことを平気でする人がいますが、こういう人を指して言う言葉です。 昔、中国に王光遠という学問も才能もたいへん優秀で、進士の試験にも合格するほどの人がいました。しかし、この人は野心家のうえひどい出世主義者でした。 ゴマすりはちょっとやそっとのものではなく、有力者に権力者には人目もはばからず近づきになろうとしてお世辞を言いまわり、たとえ門前払いをくわされるような辱めをうけようとも、なおその家を訪ねあきらめようとはしなかったようです。 また酒席で酔ったすえに、上役に鞭で鞭で打たれても、相変わらずご機嫌とりをするほどだったのです。 それで当時の人々は、「光遠の面の皮が厚さは、まるで十枚重ねの鉄の甲のようだ」と陰口をいいました。 この鉄面皮と同じような意味の言葉として、「厚顔無恥」「面張牛皮」があります。 |
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