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「醍醐味」というのは、最上の美味ということで、本来は飲食物からきた言葉です。 仏教の涅槃経の中では、牛から乳をとり、順次精製されていく過程で最良の味を醍醐といったようです。 乳を精製する過程は五段階あり、その五段階を「五味」と言い、「乳(にゅう)」「酪(らく)」「生酥(しようそ)」「熟酥(じゅくそ)」「醍醐(だいご)」と言われ、その中でも、上質で濃厚な甘みのある汁液が最後の過程で精製される「醍醐」であり、最上の味を持つ乳製品とされていました。 この醍醐はなかなか手に入れるのも難しいということで、天皇に献じられたという記録もあるようです。 現在では、「人生の醍醐味は人生経験を積んでいない若者には理解できない」などと言われるように、醍醐味は「本当の面白さ」や「神髄」を意味するように変じていったものです。 |
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