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「千里眼」とは、居ながらにして遠く離れた土地の出来事や未来のことを見抜く能力、あるいは人の心の中を知りうる能力、またその能力をもっている人などの意味で使われます。 この言葉は、中国の「魏書(ぎしょ)」の「楊逸伝(よういつでん)」の話から出た言葉だとされています。 楊逸という長官があるところに赴任になったとき、「国民こそ国のもと」という思想のもと、上の威光を笠にきた役人を治めるため、その土地に広く腹心のものを密かに配し、役人の行動を監視したそうです。 そうすると、今まで見回り役人が視察に来るたびに、やれ宴会だの贈り物などと大騒ぎしていたのが、弁当持参でやってくるようになりました。 そこで、不思議に思った人が役人に理由を聞いてみると、「楊逸長官は千里眼だ。何もかもお見通しだ」と答えたそうです。 こうして、役人たちは楊逸を千里を見通す眼を持つ人として恐れられるようになったとのことです。 |
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