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「最近、仕事にも慣れてきたせいか、少し図に乗って言いたい放題じゃないか」などと、少々調子に乗りすぎている人を指して使われています。 もともとの語源から言えば、「図に乗る」のは非常にすばらしいことだったのです。 なぜなら、昔、「声明(しょうみょう)」と呼ばれる仏徳をたたえる声楽が、雅楽と並んでインドから中国を経て、日本に渡来してきました。 そして、この「図」とは、その声明のなかで転調を示す図表のことだったようで、今で言えば、ハ長調からイ長調に転調するようなものです。 この図表どおり声楽が進んでいき、転調がうまくいったときに、「図に乗った」と言ったわけですから、転調というのは、よほど難しかったのでしょう。 そこから、調子に乗ることを言うようになり、それが、うまくいきすぎて、つけあがっていい気になる意味に変化しました。 語源を同じにするものとして、「図に当たる」がありますが、これは計画または段取りが思うように進んでいるときに使われます。 |
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