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「月下氷人」とは、「月下老」と「氷上人」の二つの故事から合成されたもので、縁結びの神が転じて男女の縁の仲立ちをする人のことで、媒酌人のことを意味します。 昔、中国に令孤策という人がいたそうです。 この令孤策という人は、いい青年で、学問もあり、真面目な若者だったそうですが、女性の前では緊張して思うように話もできず、なかなか恋人ができませんでした。 その青年が夢を見たのです。 その夢の中で、青年は氷の上に立って美しい月を眺めていたら、ふと「恋人が欲しい」「結婚して暖かい家庭を築きたい」という思いが強まったのです。 するとどこからともなく、自分に話しかけてくる優しい女性の声が聞こえてくるのですが、あたりにはだれもいないので不思議に思っていると、なんと自分の立っている氷の下から、美しい乙女が話しかけているではありませんか。 そこで、目が覚めたのですが、ほろ酔い気分で街を歩いているときに、あの夢の中で見た乙女にそっくりの女性に出会い、しばらくして結婚したそうです。 |
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