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「久米の仙人」といえば、男の煩悩の強さというものを証明したような話として有名ですが、いつの時代も男は女性の体を見たがるものですね。 この「久米の仙人」は、平安時代の説話集である「今昔物語」や、鎌倉時代の随筆「徒然草」などに出てくる伝説上の人物です。 今昔物語になると、昔,大和の国(奈良県)吉野郡の竜門寺という寺で修行していた久米という仙人がいました。 久米が空中を飛んでいるときに、吉野川のほとりで洗濯をしていた若い女性の白い〈はぎ〉を目にして思わず欲情を起こしたため、たちどころに彼の仙術がとけて、その女性の前に落ちてしまったということです。 久米は俗界に戻ってこの女性を妻とし、その後、新都造営の役夫として働いているうち、彼の前歴を知った役人は、「造影用の木材を仙術で運んでみよ」とからかったそうです。 これを聞いて発奮した元仙人は一心に祈って仙術を取り戻し、仙力で材木を空から運だということです。 これを聞いた当時の帝は、いたく感じられて彼のために高市郡に久米寺を建立しました。 |
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