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最近の日本の情勢から見た国際外交は、アメリカとか東南アジアなどの遠い国々と交わりを結び、近い国に対して圧力をかける外交策がとられていますが、これを遠交近攻といっています。 要するに、遠交近攻とは、利害関係の遠くの国と親交を結び、その国に背後から威圧させ、近くの国を攻略する外交政策です。 この「遠交近攻」という言葉の由来は、中国の戦国時代の策士である魏の范雎(はんしよ)が考案し,秦の昭王に進言した政策からきたものとされています。 その昔、秦は、魏などの近くの国を通り越して、強国の斉を攻めようとしていましたが、范雎は、秦王に拝謁を願い、それは得策ではないと説得し、次のような策を提案しました。 近くの国との同盟はいつ裏切るか分からないので、斉のような遠い国とは友好関係を結び、魏など近隣の国からまず攻撃を加え、近隣の国を下して漸次遠国を征服するという、いわば外交・軍事両面併用の策を提案したのです。 当時、秦の東進にともなって列国間では合従(がつしよう)や連衡などの外交策がめまぐるしく展開された(合従連衡)が、秦は遠交近攻策を採用して着実に地歩をかため、統一に向かって大きく前進した。 |
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