ことば・ことわざ・故事の語源や由来、さらに業界用語や回文・四字熟語などを知ると、意外な伝説や文化、エピソードが分かり楽しいですよ

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ことばの語源や由来のトップページ
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本来の意味を知っておこう




1 破天荒(はてんこう)
★意味・・誰もなし得なかったことを初めてすること。
【例文】・・破天荒な授業スタイルで、彼の生徒は合格率が極めて高い。

これまで誰も行ってこなかった新しいことを成し遂げることをいいます。テレビのバラエティー番組などで「豪快で大胆な様子」を指す使い方をしている例がありますが、これは誤りで、フロンティアスピリットにあふれていることに対して使うのが正解です。

語源は中国の故事で、官吏の登用試験で合格者が現れず「天荒(未開の地)」と呼ばれていた地域から初めて合格した人が「天荒を破った」といわれたことに由来します。

★ポイント
類語は「前代未聞」です。豪快や大胆という意味はありません。


2 流れに棹(さお)さす
★意味・・時流に乗って思い通りに進行する。
【例文】・・流れに棹さすように、トントン拍子で事業が成功した。

時流に乗って物事がうまく進むことを表しています。自分にとって絶好のタイミングで、都合のよいことが続き、順調に物事が運んでいる場合は、まさに「流れに棹さす」状況だといえるでしょう。

「流れに逆らって、勢いを失わせること」と正反対の意味で捉えてしまうことが多いのですが、語源がわかれば正しい意味で覚えられるはずです。

船を走らせる船頭が流れの速い場所で水底に棹をさし、さらに勢いつけていることが元になっています。

★ポイント
「順風満帆」「得手に帆を揚げる」など、類語も船にまつわる言葉が多いです。


3 役不足(やくぶそく)
★意味・・・与えられた役目が実力に対して軽すぎること
【例文】・・多くの営業実績を持つ彼にとって、新しい部署での仕事は役不足だ。

「彼にとってこの仕事は役不足です」と言われたとき、あなたは字あ゛んの実力をどう評価されていると考えるでしょうか。

「役不足」は、力量のある役者に大役が回ってこない、優秀な人に簡単な仕事しか回ってこないような状況を表す言葉です。

最近は「与えられた役目が実力に対して重すぎる」という意味で使われている場面もありますが、これは誤りです。「力不足」と混同されてしまっているケースが多いようです。

★ポイント
誤用されがちですが、「荷が重い」とは反対の意味です。


4 やぶさかでない
★意味・・努力を惜しまず進んで行う。ためらうことなく行う。
【例文】・・協力することにやぶさかではありません。

「やぶさか」とはケチであったり、思い切りが悪かったりという様子を表す言葉です。それを否定する形になっているのですから、「やぶさかでない」は「思い切りがよく、惜しまない」ことを表しています。

ありがちな誤解ですが、「仕方なく行う」という解釈では真逆になってしまいます。

そこそこよい状態を「悪くない」というように、反対の言葉を否定して表現する「緩叙法」の一種と考えれば、間違いは減るかもしれませんね。

★ポイント
漢字でやぶさかは「吝か」と書きます。


5 敷居(しきい)が高い
★意味・・不義理をしてその場所に行きづらくなること。
【例文】・・父を怒らせてしまって、帰省するのは敷居が高い。

上品で高級な店を見て「あそこの店は敷居が高い」などといってしまうと、あらぬ誤解を招く恐れがあります。

「敷居が高い」は自分にとってレベルが高くて行きにくいという意味ではなく、相手に不義理や面目のないことをしてしまったせいで、その人のいる家や場所に行きにくいという意味です。

本来の意味の「敷居が高い店」というのは、何か問題を起こしてせいで入りにくいということになってしまいます。

★ポイント
自分に見合わない場所のことであれば、「ハードルが高い」が近い意味でしょう。


6 こだわる
★意味・・小さなことにこだわる。
【例文】・・過ぎたことにこだわってしまい、なかなか前向きになれない。

近年、「こだわる」という言葉を「小さなことにも気をつける」というような、よい意味で使うケースが多く、国語辞典にも載っています。しかし、こだわりは本来持っているとうまくいかない、ネガティブなものなのです。

この言葉の本来の意味は「気にしなくてもよい小さなことを気にする」「心が何かにとらわれて自由に考えることができない」という否定的なものです。

ポジティブな意味での「こだわる」は、「情熱を傾ける」「心血を注ぐ」「手抜かりない」などの言葉に置き換えられます。

★ポイント
漢字では「拘る」。同じ意味の言葉に「拘泥」がありますが、こちらをポジティブな意味で使うことはありません。


7 さわり
「さわり」とは話の要点や中心となる見どころのことです。

元々は浄瑠璃の流派のひとつ、義太夫節で使われていた用語で、曲の中で最大の聞かせどころのことでした。そこから転じて、話や物語の要点をいうようになったのです。

決して、話の最初の部分という意味ではありません。手で触れる意味の「さわる」からイメージして、広まった誤解かもしれません。


8 ぞっとしない
それほど感心しないことや、あまり面白いと思わないことを指す言葉です。

たとえば「ぞっとしない話」とは、特に興味を引かない話やよい気持ちがしない話のことです。

恐ろしさで身の毛がよだつさまを意味する「ぞっとする」の反対語ではありません。若い世代に多いようですが、「ぞっとしない」を「恐ろしくない」という意味で使うのは間違いです。


9 知恵熱(ちえねつ)
乳歯が生えてくるぐらいの頃の乳児にみられる、急に出て急に引く熱のことです。

子供が知恵づく土器に起こるため、昔の人が「知恵熱」と呼んだのです。母体にいた頃の免疫が下がることが原因のひとつと考えられています。

物事を深く考えたり、頭を使ったりした後に出る熱という意味ではありません。日頃頭を使っていない人があれこれ考えて悩んでいるところを、知恵熱を出した乳児にたとえたのを誤解した結果だと考えられます。


10 潮時(しおどき)

「そろそろ潮時と考えている」という言葉に、どのようなイメージを持っていますか?

スポーツ選手の引退や事業を撤退するときなど、物事の引き際に使う言葉という捉え方をしている人は少なくないでしょう。

しかし本来の意味は「物事を行うのにちょうどよいタイミング」というだけです。
「潮時を待って参加する」というように、絶好のチャンスに何かを始める場合にも使える言葉です。


11 噴飯(ふんぱん)もの
おかしさ、ばかばかしさで我慢できずにわらってしまうことを「噴飯」といいます。

こらえきれずに口の中の飯を噴出すという意味です。「噴飯もの」はこのような笑いの対象となる面白い事柄のことですが、最近は「腹の立つできごと」のことだと思ってしまう人が多いようです。

ただし「笑ってしまうほど酷いもの」を嘲笑する意味で、「噴飯もの」という言葉を使うケースがあります。この場合は「噴飯」とされる事柄は怒りの対象にもなり得ます。


12 気が置けない
「気が置けない相手」とは、「気を使わないでよい、気楽に付き合える相手」のことです。

しかし「〜ない」という否定の表現からか、「気が置けない」は「気楽に付き合えない」「信用が置けない」といったような意味だと思われがちです。

「気が置ける」とは気を使うという意味です。そうしないでよいということは、気を使わなくてよいということだと覚えましょう。


13 他山(たざん)の石
中国の故事が由来となった言葉で、よその山から出てきた質の悪い石でも、自分の山の宝石を磨くときには役立つことから「他人の良くない言動も自分の人格を育てる一助となる」という意味です。

類似の言葉は「人の振り見て我が振り直せ」や「反面教師」です。しばしば、手本となる行動のこととして使ってしまう例がありますが誤りです。「あなたの行動を他山の石にします」は失礼な発言になります。


14 おもむろに
ゆっくりし落ち着いて事を始める様子を表しますが、「急に動く」という意味で誤用される例が多い言葉です。

たとえば「おもむろに立ち上がる」とは、急がずゆっくりと立ち上がる様子を表現しています。

「おもむろ」は漢字で「徐」と書きます。徐々に動くことだと考えれば、意味を覚えやすいでしょう。


15 琴線(きんせん)に触れる
「琴線」とは琴の糸のことです。「琴線に触れる」とは、物事に感動し共鳴する心の動きを琴が鳴る様子にたちえた表現です。

たとえば「琴線に触れる作品」とは、感銘を受けた作品のことをいいます。

しかし「他人から怒りを買ってしまうこと」だと間違えて覚えている人も少なくないようです。「逆鱗に触れる」や「気に障る」などと混同してしまっているのでしょう。


16 御(おん)の字
「この利益が得られれば御の字だ」といった場合、どれくらいの満足度だと思いますか?

「御の字」は非常に満足していることを表す言葉です。尊敬語の「御」の字がつくほど、ありがたいもののことです。

近年は御の字を「一応、納得できる程度」を表す言葉として使うシーンが増えています。そこそこではなく、最大限にありがたい場面で使いましょう。


17 檄(げき)を飛ばす
「檄」とは「檄文」のことで、招集をかけたり教え諭したりするための文書を、古代中国ではこう呼んでいました。「檄を飛ばす」とは、自分の考えや主張を広く人々に伝え同意を求めること、決起を促すことです。

スポーツニュースなどで、激励や励ましの意味で「監督が檄を飛ばす」などという使い方を耳にしますが、これは正確な使い方ではありません。そもそも「檄」を飛ばすと「激励」の「檄」とは漢字が違うでしょう。


18 すべからく
「当然、やるべきこととして」という意味の言葉です。

たとえば「学生はすべからく学問に励むべき」は、学生は当然、学問に励むべきだという意味です。

「すべて」という意味で誤用されがちですが、「すべ」の音が似ているだけで、別の言葉なのです。「すべからく」は漢字で「須らく」と書き、「全て」とはまったく異なると覚えておきましょう。


19 確信犯
本来の意味は「政治的、道徳的な信念を持って行われる犯罪」のことです。

自分の行いが正しいと「確信して行っている犯罪」というわけです。日常生活において、あまり見かけることはないであろう言葉でした。

しかし最近は「トラブルの原因となることを理解していながら、わざと行う行為」という用例が増えています。自分が悪いとわかっていて罪を犯すことを示す言葉は別にあり、「故意犯」と呼びます。


20 世間(せけん)ずれ
「世間一般的な考えから外れている」という意味ではありません。

実社会を生きる内に苦労を重ね、世渡りの知恵を身につけていくことを「世間ずれ」といいます。

たとえば「世間ずれしていない人」というと、実生活の経験には乏しいものの、純粋な人を表しています。

なお、「世間ずれ」には、ずる賢さや抜け目なさがあるというニュアンスもあるため、使いどころには気をつけましょう。


21 小春日和(こはるびより)
「小春」とは旧暦10月(10月下旬から12月上旬)のことです。

小春日和とは、秋から冬へと移り行く晴れた暖かい天気のことです。春先の心地よい日のことではありません。春に似た暖かさを、小さな春とたとえたのです。


22 奇特(きとく)
「奇特」はほかと違って優れている、感心できるということです。

「奇特な人間」とは「めったにいない感心できる人」という意味の褒め言葉なのです。奇妙で珍しいという意味ではありません。


23 うがった見方をする
「うがつ」とし穴を開けること、そこから転じて物事の本質を的確に見抜くことを意味します。

よって「君はうがった見方をするね」といった場合は、相手を評価していることになります。しかし、「疑った」との混同からか「疑ってかかるような見方をする」といった意味で考えてしまう誤用も多いようです。


24 姑息(こそく)
誤用されがちですが、卑怯なさまを意味する言葉ではありません。

「姑息」とはその場しのぎの間に合わせのことです。「姑息な手段」とは、一時的に難を逃れるだけの手段としいう意味です。


25 憮然(ぶぜん)
失望や落胆をして何もできない様子や、意外なことに驚いて、呆れている様子を表す言葉です。

しかし近年は腹を立てている様子や不機嫌な様子を表しているという誤った意味で使う人が多いようです。


26 にやける
本来は男性がよなよなして色っぽい様子を表す言葉で、女性に対しては使いませんでした。

しかし最近では、声を出さずに笑いを浮かべる様子を表す「にやにや」と結びつけて、「薄笑いを浮かべている」という意味に捉えている人が多いようです。






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