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国会のテレビ中継などでよく聞く「総理」とは、内閣総理大臣の略称です。一方、「首相」は内閣総理大臣の通称で、または宰相と呼ばれることもあります。 ★内閣総理大臣は日本独自の呼び名ですが、首相ははそうではなく、なんと日本の官職を唐風に呼んだ「唐名」なのです。 日本人なら誰もが知っている唐名といえば、「黄門」でしょう。江戸時代の水戸藩主の徳川光圀が朝廷から与えられた地位は「中納言」で、その中納言の唐名が黄門だったのです。 ほかにも唐名で呼ばれていた歴史上の有名人は多数います。 織田信長は右大臣だったから、「右府」。豊臣秀吉は関白の官職を下賜され、関白の職を甥の秀次に譲っています。関白を譲ると「太閤」と呼ばれたので、秀吉の呼称は「豊太閤」です。徳川家康は内大臣に任じられていたので、「内府」の通り名で呼ばれていました。 これらの呼び名は時代小説やテレビの時代劇などで目にすることも多いはずです。 総理大臣や外務大臣が首相や外相などと呼ばれるのは、この通称が生きているからです。 また、ニュース番組などでは、総理大臣の呼び名でもう一つ耳にするものがあります。それが「総裁」、自由民主党のトップを指す呼び名です。 総理が政権を担当している与党・自民党のトップのため、「総理総裁」などと呼ばれることもあります。 ちなみに、どの放送局でも正式名称の略称である総理を使用し、首相という呼び名は使わないそうです。 最後に、首相と大統領の違いを簡単にみてみましょう。 大統領は、共和制国家のトップで、共和制国家とは国王や女王のような存在が世襲するのではなく、国民の投票で国のトップが選ばれる国家のことです。 ですから、大統領がトップの国には国王などはいません。 首相は国のトップのように見えますが、あくまで行政府のトップであり、多くの国では首相のほかに国王などが存在しています。 |
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