|
貯金箱にはさまざまなデザインがありますが、昔から世界中で愛されている定番の貯金箱といえば、やはり、丸々とした子ブタの形の貯金箱でしょう。 別にブタと金運や倹約と結びつけるような、ことわざや伝説があるわけではありません。 それどころか、『聖書』ではブタに真珠を与えないように諭しており、ブタが貯金箱にふさわしい動物とも思えません。 ★それなのに、なぜかブタの形が貯金箱の定番になったその原因は、職人の単なる勘違いから起こったようです。 中世ヨーロッパでは、まだ金属類はそんなに出回っていなかったので、家庭用品には「ピッグ」と呼ばれるオレンジ色の粘土で作られた陶器がよく使われていたようです。 また、この粘土で作られた陶器も、「ピッグ」と呼ばれていました。 当時の人々も、倹約しては小銭を貯めていましたが、そのために用いたのもこれらの陶器でした。台所にある壷などを、貯金箱として用いていたのです。 現代のわれわれが空缶やタッパーなどを小銭入れに用いるような感覚で、身近な陶器を利用していたのでしょう。 やがてピッグという粘土は使われなくなり、忘れ去られてしまいましたが、「ピッグ・ジャー」という名前は、お金を貯めておく容器をさす言葉として残りました。 その後、18世紀のイギリスで、陶芸職人が陶器の貯金箱を作るに当たって、「ピッグ・ジャー」という名称から、「ピッグ」をブタの意味だと勘違いした。 ★そこで、子ブタの形の貯金箱を作ったところ、見た目がかわいらしいためか、すっかり人気者となり、世界中に広まったということです。 |
||||
Copyright (C)2015. 誰もが不思議に思う素朴な疑問All rights reserved. |