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今、世界中のほとんどの国で使われている太陽暦(グレゴリオ暦)は、旧ローマ帝国時代のユリウス暦に基づきます。 ユリウスとはジュリアスのラテン語読みで、その名の通り、ジュリアス・シーザーがエジプト遠征のとき、すでにエジプトで使われていた暦法をローマに持ち帰ったものです。 今から2000年以上前に、エジプトではすでに太陽の運行に基づき、1年を基本的に365日とし、うるう年を設けて調整するというほど発達した天文学による暦法が完成していたのです。 ★エジプト暦では1年を12の月に分け、奇数月を31日、偶数月を30日とすれば366日になるので、十二番目の月を29日にして調整した。 それまでは古代中国や日本と同様、月の運行に合わせた暦を使っていたローマで、皇帝となったシーザーは、新しい暦をエジプトから連れてきた天文学者に作らせました。 しかし、この時代のローマは、3月の季節が1年の始まりのときと考えられていたため、最後の月が2月となり、この月が29日となったというわけです。 そしてシーザーは、自分の誕生月である7月に、ユリウス(英語ではジュライとなる)と命名して、権力を示しました。 これでわかりやすい暦になるはずだったのですが、偶数月である8月も31日と「大の月」になったのは、シーザーの跡継ぎとなったアウグストゥス帝が、義父にあやかって自分も権力を示そうと、戦勝記念日である8月を「大の日」にしてしまったのが原因です。 もちろんネーミングも真似したため、英語では「オーガスト」になっています。 ところで、8月を31日にしてしまうと、7、8、9月と3ヵ月も「大の月」が続くため、9月を「小の月」として、12月までを交互に並べたものの、また1年が366日になってしまいました。そこで、最終月の2月をさらに1日減らして、28日にしたものです。 のちに16世紀になって、うるう年の定め方などでさらに進歩した暦が定められたものの、2000年以上も前に定められたというユリウス暦の精神は、いまも引き継がれていることになるようです。 |
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