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「歴史上の人物で一番好きな人」という人気アンケートをすれば、戦国時代を除けば、幕末の英雄、坂本龍馬の名前が挙がるのではないでしょうか。 ただし、今の龍馬像を決定付けているのは、ご存知の方も多いでしょうが、司馬遼太郎の小説『竜馬がゆく』にほかなりません。 『竜馬がゆく』はフィクションで、本当の坂本龍馬とは違うにもかかわらず、司馬遼太郎が書いた竜馬が一人歩きしてしまった結果、実像がわからなくなってしまっています。 その龍馬の維新の功績といえば、代表的なものに二つあります。 それは、薩長同盟と大政奉還です。 薩長同盟は、龍馬の仲介によって薩摩藩と長州藩という犬猿の仲の両藩が軍事的・政治的協力を約束した同盟です。この連合をきっかけに一気に討幕へと世の中の雰囲気が変わりました。 また、大政奉還は徳川家が政権を朝廷に返上したことが、この構想のベースとなる「船中八策」は龍馬が作成したと伝わっています。 坂本龍馬は小説で描かれた、自由人でかっこいいスタイルというフィクションではなく、少なくとも歴史的には、この二つの功績によって知られていました。 しかし、最近の研究では、龍馬の功績に疑問が出されています。歴史教科書上でも龍馬の名前を削除しようという動きもあるようです。 2017年秋、専門化が歴史用語の「精選案」を発表しました。現在の高校歴史教科書の収録語を半分ほどに減らそうというのである。この案では、龍馬は削除候補になりました。 幕末の英雄の旗色が悪くなったのは、彼の功績だといわれる薩長同盟や大政奉還を龍馬が先導したという資料が見つからないからです。 薩長同盟では、龍馬はあくまで仲介役の一人で、元土佐藩士で盟友の中岡慎太郎のほうが締結に積極的だったといわれています。龍馬が記したといわれる「船中八策」に至っては、原本さえなく、龍馬のアイデアかどうかは裏づけが取れないようです。 |
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