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うなぎ屋さんでよく見かけるのが、松・竹・梅とランク付けされた値段表ではないですか。 あのランク付けには、ある目的が隠されていることをご存知でしょうか。 実は、松・竹・梅と3段階の値段のついた商品がある場合、どの商品が一番よく売れるかは予測ができるのです。 ★それは、真ん中の価格の商品です。うな重に「松(3500円)」「竹(2500円)」「梅(1500円)」の三つのランクがあると、人は「竹」を選んでしまいやすいのです。 3500円は高いし、贅沢だ。1500円は安いけれど、せっかくうな重を食べに来たのだから・・・などと頭を巡らせて、結局無難な値段の「竹」を選んでしまいます。そんな消費者心理を「極端性回避の心理」と呼んでいます。 竹の注文が一番多いということは、店側も重々承知です。ですから、「竹」用のうなぎを他のランクのうなぎより多めに仕入れるし、そのうな重の利益率が一番高くなるように工夫もできます。 つまり、松・竹・梅と値段のランク付けをすることは、店側に大きなメリットをもたらすというわけです。 しかも、強制は一切していません。お客が勝手に選んでくれるのです。 そのような「お客に自由に選ばせているようで、実は店側が誘導してしまう」テクニックは他にもあります。 たとえば、壁中に無数の料理メニューが貼ってある食堂や居酒屋をよく見かけます。あんなにたくさんの料理の注文をさばけるのだろうかと思うかもしれませんが、心配はご無用なのです。 注文されるのは、「今日のランチ」や「今日のおすすめ」「盛り合わせ」といったメニューがかなりのパーセンテージを占めることがわかっているからです。 メニューが多いと、人は面倒になって、つい定番料理を頼んでしまいがちなのです。 そうした心理を「決定回避の法則」といいます。 私たちは、自分で選んでいるようで、実は選ばされているのです。 |
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