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すし屋のカウンターに座り、「マグロを握って」とオーダーすると、付け台にマグロのすしが二つ並んで出てきます。 「二貫付け」と呼ばれたりするため、すしの個数単位である「貫」でカウントする場合は、すし二個なら二貫と呼んでいいような気もしますが、二つセットで一貫と思っている人もいて、貫は、なかなか紛らわしいです。 とりあえず数え方はさておき、なぜすし屋では同じすしネタを二つセットにして出すのでしょうか。 ★有力なのは、「食べやすいように二つに分けた」と説です。 握りずしは江戸時代に両国で店を開いていた華屋与兵衛(はなやよへい)が考えたとされています。登場した頃の握りずしは、今の倍近くの大きさで出されていたため、華屋では大きな握りを一口で食べられるようにと、半分に分けて握り直したということです。 握りずしと同時期の巻きずしも誕生していますが、この巻きずし一本を二本に分けたからという説もあります。大きく、あるいは長いすしを食べやすく二つに分けて提供したところまでは、どうやら信憑性がありそうです。 さて、すしの単位の貫について考えますと、貫は、元来は個数ではなく、重さを表す単位で、一貫は3.75sになります。 4キロ近い大きな鮨はありえないから、すしの重さを表す単位ではないような気もしますが、どうでしょう。 一貫は誇大広告だったということのようです。 当時、華屋は、9種類のネタを載せたすしを一皿として客に提供していた。このすしの重さが370グラムで、江戸時代に流通していた穴空銭96枚を紐で通してまとめたものとほぼ同じ重さだったことから、「一貫ずし」という名ができたらしいです。 ただし、本当の一貫は3.75sですので、一皿のすしで、およそ10倍のサバを読んでいたわけで、この説が本当なら、「一貫ずし」はまさに誇大広告のようなものだったというわけです。 |
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