|
「たんたんタヌキの〜」と替え歌まで生まれるほど、タヌキの金玉、つまり陰嚢(いんのう)は大きいというのが、なぜか定説のようになっています。 そのせいか、信楽焼(しがらきやき)で有名なタヌキの置物も、大きなイチモツを恥ずかしげもなくさらして、通い帳をもった姿で商店の店先に置かれたりしています。 しかし、現実の動物のタヌキのそれは小さいです。では、なぜ、こんな定説が生まれたのでしょう。その原因は、どうも本物の「金」が関係しているのではないかと考えられています。 江戸時代のことです。 金細工をする職人が、金を薄く広く延ばして金箔にしていくとき、タヌキの陰嚢を使っていたというのです。 ★金一匁(もんめ)というから、今の単位で3.75グラムほどをタヌキの陰嚢に包んで、上からたたくと薄くきれいに伸ばすことができたといいます。 それを大げさに八畳ほどにも延びたと表現したのが「タヌキの金玉八畳敷き」の語源となったという説です。 わずか一匁を包んだのだから、小さいかわいいものだというタヌキのホンモノの陰嚢のサイズとも一致します。 一方、これは別に陰嚢でなく、下に敷く皮に、柔らかくて使いやすいタヌキの皮を使っただけともいいます。 また、表具屋が金箔をスクトキ、タヌキの陰毛で作った刷毛を使うと、一匁の金が八畳敷きの広さのものに延ばせたという説もあるようです。 いずれにしても、江戸時代の職人にとってタヌキという動物が道具として役に立つものだったということのようです。 なお、同じ金細工職人が、飛び散った金粉をかき集めるのに、そば粉を練った団子を使ったことから、縁起物として大晦日に年越しそばを食べるようになったとされています。 また、タヌキの置物がそば屋の店先に置かれることが多いのも、その連想からといわれています。 |
||||
Copyright (C)2015. 誰もが不思議に思う素朴な疑問All rights reserved. |